2019年10月18日、天皇陛下が即位を国内外に宣言する10月22日の「即位礼正殿の儀」に合わせ、「天皇即位恩赦」を実施することが決定されました。
恥ずかしながら、私はそもそも明日執り行われる「恩赦」という言葉を今回のニュースで初めて知りました。
普段使わない言葉ですから、そもそも「恩赦」についてあまりよくわからない、という方も多いかもしれません。
そこで、今回は、
天皇即位恩赦のメリットは?行う理由や意味をわかりやすく解説!
と題しまして、天皇即位恩赦とは何なのか、また行うメリット、理由などについてお伝えしていきます!
天皇即位恩赦とは?
「恩赦」とは、国としてのお祝いや、悲しい出来事があった際に、罪を犯した人々の刑を軽くしたり、刑罰そのものを無効にしたりすることをいうそうです。
「恩赦」は世界各国で行われており、アメリカではオバマ前大統領が就任の際に恩赦により終身刑の受刑者550人以上を釈放し、話題となりました。
日本では昭和から平成の際1000万人が対象となり、有罪判決を無効とする「大赦」も行われました。
今回は有罪判決によって生じた資格の制限を取り除く「復権」のみで、対象は55万人と前回に比べ大幅に縮小しました。
天皇即位恩赦を行うメリット・理由は?
共同通信が行った世論調査では、今回の恩赦に反対が60%と、賛成の25%を大きく上回ったそうです。
つまり、反対の票が圧倒的に多かったにも関わらず、今回の恩赦の実施が決定されました。
そんな中、天皇即位恩赦を行うメリットとは何なのでしょうか?
調べてみたところ、「陛下が即位することによって真面目に国に尽くす人が増えるという考え自体が時代に合っていない」、「罪を犯した人に特典が付くのは違うと思う」などとマイナスな意見が目立ちました。
つまり、行う理由としては長年の習慣、風習として行われているのが現状のようです。
恩赦の対象となった人にはメリットはありますが、それ以外の人にはメリットは特になさそうですね。
恩赦によってもしも犯罪率な減少するなどの効果があったら間接的にメリットは生じますが、そんなデータも見つかりませんでした。
少し様子見が必要ですね。
天皇即位恩赦の意味は?
今回の恩赦は「罰金刑」のみが対象となっており、さらに罰金の納付が完了した人のうち、その後の3年間に再び処罰されていない人を対象に、有罪判決によって生じた資格の制限を取り除く「復権」に限定して行われます。
例えば、道路交通法違反を何度も繰り返して免許停止となった人が、罰金を納めてから3年経過し、再び処罰されていなければ、再び免許を取り直すことが可能となります。
医師免許を取り上げられた人が再び国家試験を受けられ、公職選挙法違反で処罰された人が、失った公民権を回復することができるようになります。
天皇即位恩赦の対象の8割は、スピード違反や酒気帯び運転などの交通事犯となっています。
ただ、例外として、病気などの理由で長期間刑の執行が停止状態にある人の「刑の執行の免除」も対象となっています。
こちらは、植物状態などで治る見込みが極めて低い人を対象に、罰金刑だけでなく「懲役刑」や「禁固刑」など重大な罪を犯した人も対象となります。
まとめ
今回は、
天皇即位恩赦のメリットは?行う理由や意味をわかりやすく解説!
と題しまして、天皇即位恩赦とは何なのか、また行うメリット、理由などについてお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の天皇即位恩赦の規模は、あわせて55万人が見込まれていますが、罰金刑など比較的軽い罪に限定して行われることになっています。
今回の恩赦によって、植物状態などの例外を除き、殺人などの重大な罪を犯して服役中の人が、罪を許されて釈放されることはありません。
反対者が多いうえに、犯罪被害者や遺族の方に配慮すれば、重大な罪を犯した人を対象外として、受刑者が刑務所から釈放されないようにすることは当然のことと思われます。
陛下の即位はおめでたいことだけれども、それにより国民が尽くすようになるので、犯罪者の罪を解放するというのは、今の時代に沿った考え方ではないという意見が多いです。
それでも実施されるのは、昔ながらの風習をやめられないのが理由となっているようです。