11月27日、文化庁はネット上の海賊版対策のためにダウンロードを規制する著作権法改正についての検討会を開催しました。
この検討会は、権利者の許可なくネット上に挙げられた漫画や写真、論文などのダウンロードのうち、どんな行為を違法とするのかが議題となっています。
情報収集にとても便利なスクショ。これまでは「あ、これ欲しい」と思ってもすぐには買わないものの写真、「この髪型いいな」と芸能人の写真を気軽にスクショしていました。
しかし、違法かもしれないと思えば、スクショの使用を今後ためらってしまう場合もあるかもしれません。
そこで、今回は、
スクショの著作権を分かりやすく解説!何がダメで何がOK?
と題しまして、スクショの規制の対象と除外されるケースについお伝えしていきます。
スクショの著作権を分かりやすく解説!
2019年の通常国会に提出されるはずだった海賊版対策のダウンロード違法化を盛り込んだ著作権法改正案。
当初は著作権侵害のものだと明確に知りながらのダウンロードすべてを違法とする案が検討されてしましたが、この案ではネットの自由が奪われ、日常生活への影響が大きいため、今回、違法とする要件を絞り込んだ案が示されました。
これにより、著作権侵害のイラストなどが一部に写り込んだスクショについては違法としない方針に転換されました。
何がダメで何がOK?
スクショの規制の対象
- 勝手にアップロードされた写真やイラストそのもの
- もともと無料の雑誌、漫画、ネット記事
除外
- アニメのキャラをアイコンに使ったSNSのアカウント
- 漫画の1コマ、写真、新聞紙面などをSNSに載せる
- 著作権侵害のイメージが一部に映り込んだ場合
保留
- 規制対象を漫画、アニメなどに限定
つまり、スクショで漫画や雑誌の情報を取得する場合、その全体ではなく一部であればOKといえそうです。
ダウンロード違法化案の経緯
発端は、逮捕者まで出た海賊版サイト「漫画村」で、出版業者が深刻な被害を訴えていました。
そこで、著作権侵害のものだと明確に知りながらのダウンロードを違法とする「著作権改正法」がつくられました。
これまで音楽と映像に限って違法だったものを全ての著作物に拡大する案で、悪質なケースには懲役2年以下または200万円以下の罰金、または両方の罰則をつけました。
ところが、この案だと一部にでも著作権侵害物が含まれれば違法となります。例えば、個人のSNSに転載された写真、アニメのキャラを使ったSNSのアイコン、スマホ端末内で撮影する「スクショ」も対象となりました。
実際には権利者から訴えられなければ見逃される可能性が高いとはいえ、違法かもしれないと思えば、インターネットを利用した情報収集そのものをためらってしまいますよね。
そのため、この案は、日常生活への影響が大きいことから「隙のない規制は、過剰規制だ」と世間からの批判が起こりました。
ネットにおける自由という観点から、「網の目を大きくしてマグロは捕まえるけどメダカは逃がすべき」という意見も出ました。
それによって、今回、違法とする要件は絞り込まれ、「スクショ」に他人の著作物が映り込むなど、軽微なダウンロードを違法としないことが改正案に盛り込まれることになりました。
この改正案は、2020年の通常国会に著作権改正法案に盛り込まれる予定です。
まとめ
今回は、
スクショの著作権を分かりやすく解説!何がダメで何がOK?
と題しまして、スクショの規制の対象と除外されるケースについお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の改正案ではSNSのプロフィールやアップロード、また著作権侵害のイメージが一部に映り込んだスクショも規制から除外されるとのことです。
今後、規制対象をアニメ・漫画に絞る案も検討されていますので、さらなる緩和に期待しつつ、ネットでの情報収集は慎重に行いましょう。